2022.03.18 現場日誌屋根・外壁ブログ
<塗装現場日誌>千葉市中央区川戸町・K様邸(第4回)
~コーキング(シーリング)工事~
【千葉市若葉区外壁屋根塗装・株式会社雅】
前回の記事では、
塗装作業前の大切な下地処理の1つである<高圧洗浄>についてご紹介しました。
(↑ 別のお住まいの現場ですが、こちらが高圧洗浄機です。)
(↑ こちらも別のお住まいの現場ですが、高圧洗浄作業の様子です。)
塗装面の汚れを高圧力の水でキレイに洗い流して、
塗装に適した状態に整えるための作業でした。
汚れをそのままにした状態で塗装作業をしても、
塗料が塗装面に上手くなじまず、その機能を十分に発揮できません。
そのため、塗装作業前にお住まいを丸ごと洗い流すという、
<高圧洗浄>をする必要があるのです。
もっとも、大切な下地処理作業はこれだけではありません。
サイディング壁材(サイディングボード)の戸建て住宅の場合、
温度変化や地震などによって壁材どうしが動くことがあります。
そのため、壁材どうしが摩耗してしまわないように、
壁材どうしの間に緩衝材を入れる必要があります。
また、壁材と壁材の間には、
「目地(めじ)」あるいは「板間(ばんかん)」と呼ばれる隙間があります。
この隙間を埋めておかないと、
経年劣化によって雨水が浸み込み、
雨漏りの原因になってしまいます。
(雨漏りって、実は、屋根からだけでなく、外壁からのものもあるんですよ!)
さらには、モルタル外壁にひび割れ(クラック)がある場合には、
そこから雨漏りしないようにするため、
ひび割れ部分を埋める補修工事が必要になります。
そこで、目地や板間といった隙間を埋めるための充填材を施しておく必要があります。
この充填材のことを「コーキング(またはシーリング)」と言います。
そして、コーキングを打ち込んでいく工事を「コーキング工事」と言っています。
*モルタルのひび割れについては「スムースエポ」という充填材を注入します。↓
(モルタル壁のひび割れ(クラック)にスムースエポを注入しています。↑)
(スムースエポ注入後。↑)
ということで、第4回目の今回は、
塗装工事の大切な下地処理の1つである<コーキング(シーリング)工事>について、
<千葉市中央区川戸町・K様邸(第4回)>
の模様にからめながらご説明していきます。
(<塗装現場日誌>は、シリーズものの連載記事になります。)
これまでに連載しました塗装現場日誌はこちら↓
「<塗装現場日誌>千葉市中央区川戸町・K様邸(第1回)~玄関タイル補修工事~」
「<塗装現場日誌>千葉市中央区川戸町・K様邸(第2回)~ドレンホース補修工事~」
「<塗装現場日誌>千葉市中央区川戸町・K様邸(第3回)~高圧洗浄~」
「<現場日誌>千葉市若葉区みつわ台・S様邸(第1回)~足場組立・高圧洗浄・コーキング~」
https://tosou-miyabi.com/topics/mitsuwadai-wakaba-ku-chiba-initial-s-samas-residence-1st/
「<現場日誌>千葉市若葉区千城台南・S様邸(第1回)~竪樋一部交換工事・屋根・外壁・他部位の高圧洗浄~」
https://tosou-miyabi.com/topics/s-samas-residence-in-chishirodaiminami-wakaba-ku-chiba-1st/
外壁・屋根塗装と一緒に考えてみたい修繕工事はこちら↓
「外壁塗装と一緒に行いたい工事(part1)」
https://tosou-miyabi.com/topics/construction-that-you-want-to-do-with-exterior-wall-painting-part1/
「雨どいも修理・交換対応します」
https://tosou-miyabi.com/topics/drainpipe/
「瓦屋根の漆喰補修、割れの補修」
https://tosou-miyabi.com/topics/tile_roof/
まずは、古くなったコーキング材を撤去します。↑
コーキングには、
①壁材どうしの緩衝材の役割
②目地・板間といった隙間から雨水の浸入を防ぐ防水の役割
といった2つの役割があります。
もっとも、日光(熱)・雨・風・急激な温度変化・地震の揺れなどにより、
コーキングも経年劣化していきます。
そうなってしまいますと、
本来の役割を果たさなくなるため、古いコーキングを取り除き、
新しくコーキングを打ち直すことにします。
ちなみに、撤去した後は、
カッターで小口をさらにキレイにカットしたり、
溶剤等を使って目地の中をきれいに掃除します。
次に、目地の状況に応じて、
ねじれや段差等がないように適切なバックアップ材を充填して、
目地内部のサイズを整えます。
これによってコーキングの工事がキレイに仕上がります。
そして、ボンドブレーカーを貼り付けます。↑
これは目地底にコーキング材を直接接着させないようにするためのものです。
いきなりコーキングを目地に打ち込んだりはしません。
なぜでしょうか?
地震や温度変化によって外壁材どうしが動きやすい戸建て住宅の場合は、
コーキング材は2面接着で打ち込むのが基本だからです。
簡単に言ってしまいますと、
3面接着させてしまいますと、
外壁材どうしの動きにコーキング材がついてこれず、
切れてしまうなどの破損が起こりやすくなるためです。
このあたりの詳しい理由や仕組みについての解説はこちら。↓
「<現場日誌>千葉市若葉区みつわ台・S様邸(第1回)~足場組立・高圧洗浄・コーキング工事~」
https://tosou-miyabi.com/topics/mitsuwadai-wakaba-ku-chiba-initial-s-samas-residence-1st/
ボンドブレーカーを貼り付けたら、
周辺を汚さないようにするために養生テープで養生(保護)し、
小さな目地刷毛(めじばけ)を使って目地にプライマーを塗っていきます。
プライマーというのは、
英語のprimary(最初の)から来ている言葉で、
下地処理剤や表面処理剤としての効果を持つ「最初に塗る塗料」です。
これは無色透明の液体で、
塗ったばかりの表面は光沢があります(光の加減によります)。
その役割を一言で言ってしまいますと、
<結合力を補強する役割>になります。
つまり、目地の表面とコーキング材との密着性を高め、なじみを良くするのです。
ちなみに、20年くらい前までは、
プライマーを塗布せずにコーキングを打ち込む現場が普通にあったと聞きます。
現在では、塗料の質が進化するとともに、
塗装工事のやり方も進化しておりますので、
ボンドブレーカーの貼り付けやプライマーの塗布という工程は、
当たり前になっています。
ここまででコーキング打ち込みのための下準備が整いましたので、
コーキング・ガンを使って、新しいコーキング材を目地の中に打ち込み(充填)していきます。
これは目地に塗布したプライマーが乾かないうちに素早く行います。
新しいコーキング材を打ち込んだら、
目地の幅に合ったヘラを使い、
コーキング材をしっかり押さえ、それをならして平らにしていきます。
周辺のパターンに合わせてコーキング材を平らで滑らかな状態になるように、
ヘラで丁寧に仕上げます(ヘラ仕上げ)。
この後は、速やかに養生テープを剥がして撤去します。
空になったコーキング材の容器に巻き付ける形で、
不要になった養生テープを撤去していきます。
「速やかに」というのは、
コーキング材が乾かないうちに、ということです。
乾いてしまってから養生テープを剥がそうとしますと、
養生テープにはみ出たコーキング材と目地に打ち込んだコーキング材とがくっついてしまい、
目地のコーキング材も養生テープと一緒に剥がれてしまうからです。
(↑ 養生テープの貼り方を説明して下さる松川工事部長。塗装職人歴20年のベテランです。)
ここでちょっと、養生テープの貼り方・剥がし方について、
深掘りして見ていきましょう。
養生テープは、足場の高さごとにエリアを区切って貼っていきます。
これは、コーキング材が乾かないうちに養生テープを剥がさなければならないという、
スピード勝負な作業のため、
一度に作業できる範囲を区切りながらコーキングの打ち込みをやっていく必要があるからです。
また、養生テープは下から上に向かって貼っていきます。
これはコーキングを打ち込み終えた後、
養生テープを上から下へと剝がしやすいようにするためです。
つまり、高さの階層ごとに3つのエリアに区切ったとしたら、
一番下のエリアから上に向かって養生テープを貼っていくのです。
この順番を間違えてはいけません。
養生テープは下から上に向かって貼り、
コーキングは上から下に向かって打ち込んでいくのが基本中の基本になります。
そして、上から下に向かって養生テープを剥がしやすいように、
あらかじめテープの端っこを折っておきます。
セロハンテープを使った工作でも、端っこを折って剥がしやすいようにしますよね。
あれと同じです。
(↑ エリアごとに区切って、下から養生テープを貼っていくモデルです。端っこを折ります。)
一番上のエリアから下に向かってコーキングの打ち込みをし、ヘラでならしをした後、
コーキング材が乾かないうちに養生テープを上から下に向かって剥がしていきます。
乾く順番が早い上の部分から養生テープを剥がしていかねばならないからです。
これを逆に、下から上に向かって養生テープを剥がしてしまいますと、
下のテープとつながっている上のテープまでくっついて剥がれてしまいます。
その際に、剥がした養生テープにはみ出たコーキングにくっついて、
目地に打ち込んだコーキングまで剝がれてしまいますので、
工事やり直しになってしまいます(泣)。
ですので、養生テープを貼る順番は基本中の基本になるわけです。
(回収した養生テープです。↑)
回収し終わった養生テープは、
産業廃棄物になりますので、専門のごみ収集業者さんに持っていってもらいます。
洗面所の防水のためにコーキング工事をすることもあります。↓
「<塗装現場日誌>千葉県四街道市鷹の台4丁目・K様邸(第1回)~2階洗面所の防水化粧板設置・蛇口交換・コーキング工事~」
以上、今回の塗装現場日誌では、
「千葉市中央区川戸町・K様邸(第4回)~コーキング(シーリング)工事~」
の様子をお伝えしました。
塗装工事の成否は、どれだけ丁寧に<下地処理>をやれるかにかかっています。
その分、時間も費用もかかります。
費用とは、職人さんの人件費(腕の良い職人さんほど人件費が高い)、
施工管理費、事務スタッフによる現場管理サポート費などなどです。
着工前のご近隣挨拶、足場組立てから始まる塗装工事は、
10年以上もつクオリティを保つために様々な人が関わることではじめて、
安全かつ効率的に進んでいくものです。
もちろん、どこの業界であっても、
お客様を騙して暴利をむさぼるようなことは決して許されません。
不要・不急な工事であるにもかかわらず、
お客様の不安を煽って契約させ、不当に高額な請求をするなどもってのほかです。
他方で、残念ながら、塗装業界は「安かろう、悪かろう」が普通にある業界です。
ですので、塗装業界では特に、<価格=品質>とお考え頂いて差し支えないと思います。
株式会社雅は、お客様の大切なお住まいをお守りするために、
丁寧で繊細な職人仕事により、
<下地処理>からじっくりと行って参ります。
次回の現場日誌では、
全体養生といった<下地処理>の続きをお伝えします。
屋根・外壁塗装に興味のある方は、ぜひ楽しみにお待ち下さい。
お問い合わせはこちら↓
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「悪質な塗装業者のよくある営業トーク」
https://tosou-miyabi.com/topics/common-sales-talks-of-malicious-painters/
「良い塗装業者を選ぶポイント(前編)」
https://tosou-miyabi.com/topics/points-for-choosing-a-good-painter-part-1/
「良い塗装業者を選ぶポイント(後編)」
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「外壁・屋根塗装ってDIYで出来ますか?(前編)」
https://tosou-miyabi.com/topics/is-it-possible-to-paint-the-exterior-walls-and-roof-with-diy-part-1/
「外壁・屋根塗装ってDIYで出来ますか?(後編)」
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株式会社雅は、
「<愛・信頼・絆>
誠実な思考と確かな技術で地域社会に貢献する」
ことを経営理念として掲げております。
この経営理念の下、
<地域密着100年企業>を目指し、
塗装サービスを通して
地域の皆様から長期的な信頼を寄せて頂くことを
経営目標としております。
<30年後も愛される塗装会社>であるために、
地域の皆様へ提供する価値を塗装工事ではなく、
「塗装サービス」ととらえ直し、
ただ染める塗装ではなく、
「家を守る塗装」を常に意識しております。
プロの塗装職人としてのプライドを胸に刻み、
地域の皆様に<お住まいへの安心感>を持って頂けるように
精進して参ります。
また、塗装とは工事が始まってからがスタートではございません。
工事が終わってからが本当の塗装のスタートだと考えております。
塗装工事はその先10年以上のお付き合いが必要になるものだからです。
そういう意味で、塗装工事が終わってからが本当の塗装のスタートという
ポリシーを大切にして参ります。
「丁寧な説明から始まって、
職人さんが繊細な仕事ぶりでやってくれた。
雅さんに頼んで本当に良かった。」
「これでまた安心して長く住み続けられます。」
「外壁・屋根塗装だけでなく、
キッチンや水回りの大工仕事までやってくれた」
「ご近所さんからの評判も上々で嬉しい。」
と言って頂けるように、
株式会社雅は、
「お客様の大切なお住まいを塗装でお守りします。」
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<参考文献・引用元>
(1)外壁塗装の苦情・トラブルの種類や件数の推移が分かる統計資料
①公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
「住まいるダイヤル」
②「大規模修繕工事新聞」
https://daikibo.jp.net/archives/11910
(2) 久保信也著「家の寿命を20年延ばすはじめての外壁塗装」
(幻冬舎、2021年)
(3)池田聡著「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」
(クロスメディア・パブリッシング、2021年)
Paint Navi
https://www.tosou-navi.com/blog/?p=322
シャープ化学工業株式会社
https://www.sharpchem.co.jp/caulking/Seven-tips-of-caulking.html